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日本がん看護学会よりの緊急メッセージ

「がん医療・看護の質を担保し、人々の命と 尊厳を守る」ために

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は地球規模の災害といえます。全世界の人々が今COVID-19の脅威と闘っています。とりわけ、がん患者の皆さんは、がんに対する強力な治療を受けているため、感染を発症するリスクが高く、COVID-19に感染した場合、全身管理を必要とされたり、場合によってはがん治療を一時的に中止する事態が起こるかもしれません。また、COVID-19感染症の対応にひっ迫する施設では、医療崩壊がおこり、がん医療を十全に行うことが難しい状況が訪れる危険があります。実際に、がんの確定診断のための検査、予定していた手術などを受けられないで途方に暮れている患者さんの声が報告されています。今、通常の医療体制をとることが難しい状況ではありますが、その中でも、がん医療に携わる看護職として、ヒューマニティとエビデンスに基づくがん医療・看護をすべてのがん患者の皆様に提供できるよう努力しなければなりません。

日本がん看護学会では、このような危機においても、「がん医療・看護の質を担保し、人々の命と尊厳を守る」ことをめざし、ヒューマニティとエビデンスに基づき、有効な感染症対策、がん医療・看護のあり方に関する検討を進めます。そのために学会会員、看護職、医療職、保健・ 医療施設、行政、政府、そして社会の人々に対して、次の緊急メッセージを発出し、連携・協力を求めるものです。

  1. 感染症発症リスクの高いがん患者の皆さんが、COVID-19に対する感染対策(手洗い、身体的距離をとること、自宅で過ごすこと、栄養と睡眠の確保など)を通して、感染予防を図るとともに、がん治療を継続していただけることを心より願うものです。そのために、本学会では、予防・診断・治療・フォローアップまで全プロセスにおいて、患者の皆様が感染予防対策のもと、安全に最適な医療を受けていただけるように、関連学会・団体と連携・協力し、情報発信(https://jscn.or.jp/index.html)、社会に向けての提言など社会情勢を鑑みつつ行って参ります。
  2. 感染への脅威の中で、 がん患者とその家族は、感染やがん治療の遅れ、病状の進行や死に対する不安にさらされ、大きなストレスを体験している可能性があります。関連学会・団体との連携・協力のもと、がん患者およびその家族に対する相談支援対策について検討し、可能な支援を担って参ります。
  3. 最前線の医療従事者は、感染への脅威と過度のストレスにさらされ、肉体的にも精神的にも過度の負担を抱えながら懸命に最善の診療・ケアを続けています。今後、医療従事者が感染することなく、また、心身ともに疲弊し、使命感に押しつぶされないよう労働環境の改善、後方支援体制ならびに心身のサポート体制の整備が急務となっています。国および地方自治体においてCOVID-19対策に応じた医療従事者へ後方支援体制ならびに精神的支援体制の整備強化を求めるとともに、関連学会・団体との連携・協力のもと、可能な支援を担って参ります。
  4. 新型コロナウィルス感染症はその病態が解明されておらず、医療従事者にとっても未知の領域であり、診断・治療・看護に関するエビデンスが整っていません。このような状況においても、学術団体は、COVID-19についてあらゆる側面から徹底的に分析・検証し、感染爆発を防ぐための対策を練り上げることが急務です。日本がん看護学会は、患者の皆様が治療に臨み、生活と人生を大切に送っていただけるよう、専門分野の側面から組織的に継続してデータの収集・追跡を行うとともにがん看護学の視点から研究に取り組みます。

世界的な危機は一人では乗り越えることはできません。「私たちは一人ではない」というメッセージを送り、つながりを大切にともにこの危機を乗り越えて行きたいと思います。どうぞご協力・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2020年4月21日
一般社団法人 日本がん看護学会 理事長 小松 浩子

患者・家族への看護実践の手引き

新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大に伴うがん治療・看護への長期的な影響と支援ニーズに関する調査結果概要

新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大にともなうがん治療・看護への影響と支援に関する緊急調査結果報告

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