国際交流と活動情報

International Conference on Cancer Nursing (ICCN)2017参加報告
(於:アナハイム, CA, USA)

ベルランド総合病院 がん看護専門看護師 江藤美和子

 2017年7月9日~12日、アメリカカリフォルニア州アナハイムにて、International Conference on Cancer Nursing (ICCN) 2017が開催されました。毎年ICCNでは、欧米やアジアなどの国々から、がん看護に携わる看護師や看護研究者が集い、がん看護の実践、教育、研究について討議し、質の高い看護実践と研究を追求しています。今年の開催テーマは“Merging Research and Practice Across the Globe”でした。

ISNCC とAONSとのJoint Session

 International Society of Nurses in Cancer CareとAsian Oncology Nursing SocietyとのJoint Sessionは、“Using research to inform service development”をテーマに行われました。Ka Ming Cho氏と江藤の2名がAONSの代表として発表を行いました。Cho氏は、Chinese University of Hong Kongの准教授です。私はがん看護専門看護師として、2013年から現在も進めている研究について、理論ベースの実践を行い、研究として成果も可視化している活動を報告したいと考えました。がん治療中に起こる排便障害と対処に関する実態調査および看護介入の検証の成果を題材に発表を行いました。〔プレゼンテーション タイトル:Developing a nursing intervention program for patients with cancer symptoms on collaboration between Certified Nurse Specialists and faculty members of Nursing〕
 がん化学療法中の排便障害は多くのがん患者が体験していますが、その実態や症状マネジメントに関する研究は少なく、そのようながん化学療法中の排便障害と日常生活への影響、対処の実態を明らかにすることを研究目的としました。対象者が体験している排便障害の特徴として、症状の程度は軽~中程度が多く、また多くの対象者は過去の自分の体験から症状マネジメントの方略を見出して対処を行っていました。しかし、少数ではあるが、通常パターンを逸脱していることを認識せず、また医療者にも伝えることもできなかった対象者がいました。排便障害は個々の認識、習慣、羞恥心が関連し個別性が高い症状です。看護師はこの個々の体験と対処を重視して関わり、前もって必要な情報、知識を伝え、個別性に応じて技術の提供を行うことが重要であることを述べました。
 座長のオーストラリアクイーンズランド大学教授Patsy Yates氏は、この研究は大変意義あるものであり、今後も継続してほしいとのフィードバックを下さいました。そして、現場の看護管理者の役割も担う専門看護師である私に対し、どのように実践と研究を継続させていくのかと質問をいただきました。現場の管理・実践で時間の制約があるのが現状なので、研究過程のすべてを行うことは難しく、看護研究者と協働し役割を分担し、研究計画立案とデータを収集、成果分析を共に行ない、看護への意義を明確化することが大切ではないかと考えて、そのように返答を行ないました。
 Cho氏は、婦人科がん患者のセクシュアリティを専門領域として、これまでの研究成果を発表されていました。セクシュアリティは質的研究で取り扱われることが多い領域であると認識していましたが、量的・質的な研究を地道に積み重ね、中国人の文化背景に即した介入モデルの検討と実践を目指して取り組んでいるという報告に感銘を受けました。排便障害におけるケアについても、文化や価値観を配慮する重要性を感じ、現在もメールを通じた交流を行っています。
 学会では、世界各国から様々な研究発表が行われ、特にアジア地域の研究者や看護実践家の発表が多くみられていました。私は現在日本がん看護学科で国際活動委員も務めています。今後も会員として、学会での研究・実践の発表を通じて、がん看護における国際交流に貢献していきたいと思います。

ISNCC(国際がん看護学会)からのお知らせ(2017年2月)

ISNCC(国際がん看護学会)が2つの新しいリソースを発表しました。 PDFになっていますのでご覧下さい。
  1. Models of Palliative Care Document
  2. Cancer Pain Position Statement

ICCN2017 事前登録の割引の案内

日本がん看護学会の会員を対象に、事前参加登録料について50USドルの割引があります。
プロモーションコードは下記になっています。ご活用下さい。

Promotional Code :  FullMBR_ICCN

第20回 国際がん看護学会
International Conference on Cancer Nursing 2016に関する報告

 2016年9月4日~7日、香港においてInternational Conference on Cancer Nursing (ICCN) 2016が開催されました。記念すべき20回目の開催にあたる今回は33か国から395名の参加者が集い、日本からは74名が参加し、活発な議論が交わされました。
 プレカンファレンスでは、サバイバーシップケアがテーマとなるセッションがあり、井沢知子氏(京都大学医学部附属病院 CNS)が米国、カナダ、英国、オーストラリアの演者の方々と登壇されました(写真1)。国際的な視点でサバイバーシップケアについて共有し、我が国のサバイバーシップケアのありかたを考える機会となりました。また、「緩和ケア・エンドオブライフケア」のセッションでは、山本瀬奈氏(社会医療法人博愛会 相良病院)が口演発表されました(写真2)。そのほか、日本のがん看護の研究成果や実践報告を発信する多くのポスター発表も行われました。
 日本がん看護学会のガイドライン委員会委員長の神田清子氏(群馬大学)からは、日本がん看護学会が日本臨床腫瘍学会、日本臨床腫瘍薬学会と合同で作成した「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」に関するポスター発表“Overview of JSCN/JSMO/JASPO joint guidelines for safe handling of cancer chemotherapy drugs in Japan”が行われ、Poster Awardを受賞されました(写真3)。
 Research Poster Awardには、神田清子氏(群馬大学)の“Development of the Comprehensive Assessment Scale for CIPN in Survivors of Cancer”、箕輪千佳氏(佐久大学)の“Autogenic Training May Enhance the Immune Function of the Oral Cavity”が選ばれました。神田清子氏はPoster AwardとResearch Poster AwardのW受賞の快挙となりました。
 さらに、がん看護のサイエンスとアートの国際的発展に目覚ましい貢献をした証として2年に1度贈られるDistinguished Merit Awardには、Cancer Council AustraliaのCEOを務めるSanchia Aranda氏が選ばれ、“Reflections across 4 decades in cancer nursing – A journey from human to population perspectives”と題した講演が行われました(写真4)。国際対がん連合の次期会長でもあるAranda氏は、低中所得国を含めた国際的ながん制圧の重要性についても述べられました。
 次回ICCN 2017は、2017年7月9日~12日、アナハイム(米国)でリサーチにフォーカスしたカンファレンスが開催される予定です。


写真1 プレカンファレンス「サバイバーシップケア」演者

写真2 口演発表「緩和ケア・エンドオブライフケア」演者

写真3「がん薬物療法における曝露対策合同ガイドライン」に関する
ポスター発表

写真4 Distinguished Merit Award受賞の様子

Asian Oncology Nursing Society 2015 Conference におけるJapan Workshop開催報告

 2015年11月19日~21日の3日間にわたり、Asian Oncology Nursing Society 2015 Conferenceが韓国ソウル市において開催されました。3日目には、日本がん看護学会国際活動委員会の活動の一環として“Current topics of cancer nursing in Japan”をテーマとしてワークショップを開催し、アメリカ、韓国、台湾、日本より30名の方に参加いただきました。日本のがん看護の発展に寄与されたJudith L. Johnson博士も参加してくださいました。
 冒頭に日本がん看護学会理事長で慶應義塾大学教授の小松浩子先生より、“The current situation and future prospective of cancer nursing in Japan”をテーマとし、我が国のがんの疫学、最先端のがん治療と看護についてプレゼンテーションがありました。さらに、がん看護専門看護師(CNS)の活動として、がん化学療法における支持的な関わり、緩和ケア領域でのがん看護教育のトピックスや実践が紹介されました。
 次に大阪大学医学部附属病院オンコロジーセンターCNSの田墨惠子氏より、がん化学療法室での卓越したフィジカルアセスメントと静脈穿刺について“Expertise and role of a OCNS in an outpatient chemotherapy room”をテーマとしたプレゼンテーションがありました。CNSによる。血管穿刺での漏出発現確率は非常に低く、看護の技の効果とエビデンスの示し方も大変学びとなるものでした。
 引き続き“The overview of palliative care situation in Japan, and palliative nursing care at an acute general hospital”として、社会医療法人生長会 ベルランド総合病院CNSの江藤美和子氏よりプレゼンテーションがありました。日本人が最期を迎える場所として、60%以上の日本人はできれば家族の世話をうけながら、住み慣れた家で過ごしたいという希望をもっている。しかし実際の看取りの場所は、病院80%以上、緩和ケア病棟4%、在宅12%であると提示し、在宅の看取りに向けた課題として、地域包括ケアを発展させることが急務であることが述べられ、実践例の提示がありました。
 その後の意見交換の時間では、“韓国も高齢化社会が進み、家での看取りが困難なために、日本と同じく病院での死亡数が急増しており、この状況で、自宅で看取りを希望された場合にどのように支援しているのか”と質問がありました。地域包括ケアと多職種チームの実践を推進することで、患者・家族のニーズに応えるだけでなく、それぞれの強みを生かすことで、より強固な支援となり得るなどのディスカッションがなされました。アジア地域では同じような課題を抱えていることも共有ができ、今後もこのような国際交流を重ねて、よりよいがん看護の実践を追及していく必要性を認識できました。

第20回 国際がん看護学会
The 20th International Conference on Cancer Nursing (ICCN) 2016のお知らせ

International Conference on Cancer Nursing (ICCN) 2016(2016年 9月4日~7日、香港開催)についてお知らせします。
テーマは、'Embracing globalization through leadership and partnership in cancer care'です。ICCN2016に関するお知らせ、プログラム、プレカンファレンスの内容については、学会ホームページからご確認ください。
最新のニュースがご覧いただけます。早期登録は7月6日までとなっています。
The International Society of Nurses in Cancer Care (ISNCC)のwebサイト
International Conference on Cancer Nursing (ICCN) 2016のサイト

第19回 国際がん看護学会
the 19th International Conference on Cancer Nursing (ICCN)
に関する情報

第19回国際がん看護学会(2015年 7月8日~11日、バンクーバー開催)の演題募集についてお知らせします。2月2日15時(北米東部時間)まで、締め切りが延長されました。
The 19th ICCNに関するお知らせについては、学会ホームページでご確認ください。ISNCC Conference Scholarshipsのノミネート募集など、最新のニュースもご覧いただけます。また、会員の方は、ISNCC Insightへのアクセスからonline educational programもご覧いただけます。 なお、第20回国際がん看護学会は、2016年9月4日~8日、香港で開催予定になっています。
The International Society of Nurses in Cancer Care (ISNCC)のwebサイト
Late Breaking Abstractsのサイト
Call for Abstractのサイト

第18回 国際がん看護学会
the 18th International Conference on Cancer Nursing (ICCN)
に関する報告

2014年9月7日~11日、南米パナマ共和国において第19回国際がん看護学会が開催されました。40か国から約400人の参加があり、参加者の投票によるポスターアワードでは、狩野太郎 氏(群馬県立県民健康科学大学)が受賞されました。また、ISNCC新会長にはStella Aguinage Bialous 博士が就任されました。

受賞者
狩野太郎(群馬県立県民健康科学大学)
受賞名
People’s Choice Poster Awards
受賞演題
Cancer Prevention Education for Children at a Community-based Fundraising Event

※国際がん看護学会(ICCN)は、来年から毎年開催されることになりました。次回 第19回国際がん看護学会(ICCN)は2015年 7月8日~11日 カナダ バンクーバーにおいて開催されます。
The 19th ICCNに関するお知らせは、学会ホームページで随時ご確認ください。
The International Society of Nurses in Cancer Care (ISNCC)のwebサイト

第17回 国際がん看護学会
the 17th International Conference on Cancer Nursing (ICCN)
に関する報告

2012年、チェコ共和国のプラハで9月10日から13日の期間で第17回国際がん看護学会が開催されました。日本からも多くの方々が参加し、そのうち狩野太郎 氏(群馬県立県民健康科学大学)らの研究グループと、寺町芳子 氏(大分大学医学部看護学科)らの研究グループが、ポスターセッションの部で受賞されました。

受賞者
狩野太郎(群馬県立県民健康科学大学)、神田清子(群馬大学)
受賞名
Best Poster Award 2012
受賞演題
Development and validation of a Chemotherapy-induced Taste Alteration Scale for Daily Life
受賞者
寺町芳子(大分大学医学部看護学科)、井上亮(大分大学医学部看護学科)
受賞名
People's Choice Poster Award
受賞演題
Promotive interaction between medical personnel and cancer patients spanning the process from the breaking of bad news to decision-making

※次回の第18回国際がん看護学会(ICCN)は南米パナマ共和国で開催されます。
 The 18th ICCNに関するお知らせは、学会ホームページで随時ご確認ください。

The International Society of Nurses in Cancer Care (ISNCC)のwebサイト

ISNCC Newsletter 国際がん看護学会ニュースレター

ISNCCニュースレターの紹介

ISNCCのNewsletterが更新されました。最新版Vol.26 No.3, 2014まで、国際がん看護学会HP recourseからご覧いただけます。
国際がん看護学会 WEBサイト

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