日本がん看護学会はたばこのない2020日本のプロジェクトに参加しています

放射線被ばくの可能性がある人々の看護手順

放射線被ばくの不安をもつ被災者を看護する看護師の方々へ

人々の被ばくに対する不安が高まって混乱することを避けるために、患者・住民及び医療者自身を被ばくの影響から身を守るための知識と対処方法、患者・住民の不安を軽減させるための情報を掲載いたします。

放射線被ばくによる急性の健康被害について

放射線量が閾値を超えている場合、皮膚の発赤、脱毛、皮膚炎、倦怠感などを生じることがありますが、住民の方がこのような症状を呈する高線量被ばくをする可能性は低いと考えられます。被ばくした放射線量が100mSv(ミリシーベルト)以下では直ちに健康に被害を及ぼすことはありません。100mSv以下では将来的な発がんとの因果関係も証明されていません。

※1シーベルト=1000ミリシーベルト
1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト

被ばくから身を守るために

屋内での作業では、室内を閉鎖し外気から空気が入らないようにします。
移動の際や外部で作業をする場合、マスクの着用または水でぬらしたハンカチで覆う、帽子・手袋の着用など肌が露出しないようにします。作業が終わればうがいをし、シャワーなど浴びることで身体の汚染物を流すことができます。

患者・住民の不安を軽減させるための説明

患者・住民は放射線の線量は日常的ではないためSv(シーベルト)という聞きなれない単位からも不安を抱いています。日ごろの受けている放射線検査や日常生活上の放射線量を説明することで被曝への過度な不安を軽減できると考えられます。

自然界での自然放射線の1年間の被曝線量は世界平均で2.4mSv、日本平均では1.5mSv

★検査の種類 1回の被曝線量
  • 胸部エックス線検査  0.1mSv
  • 胃バリウム検査  4mSv
  • 胸部CT  7mSv